停留精巣・遊走精巣

停留精巣とは?

停留精巣とは?停留精巣とは、精巣が腹腔内(ふくくうない)や鼠径管(そけいかん)の中にとどまったままで、陰嚢(いんのう)内へ降りてこない状態です。男児の先天的異常の中では、発症率が一番高い疾患ですが、生後6ヶ月までの間に自然治癒するケースがほとんどです。しかし、1%の確率で、1歳になっても停留精巣がみられる子がいると報告されています。

また、陰嚢内に精巣が入っていなくても、リラックスしている状況で精巣が陰嚢内に降りている状態は「移動性精巣または遊走精巣」といいます。遊走精巣の場合は、早期に治療を行う必要性がありませんのでご安心ください。

診断

  • 触診
  • 超音波検査
  • MRI(必要に応じて)

治療

1歳を超えても停留精巣が見られる場合は、手術を行う可能性があります。ご相談ください。

停留精巣を放置すると…

治療を放置すると、精巣がんや不妊症、陰嚢水腫、精巣捻転の発症リスクが上昇します。また、精神的な面でもマイナスの影響を受けてしまうこともあります。

手術を行った年齢が遅いほど不妊症リスクが増加すると言われているため。手術は2歳頃までに行うことが推奨されています。

遊走精巣とは?

遊走精巣とは、精巣が陰嚢内から動きやすく、鼠径部へ挙上する疾患です。

多くの遊走精巣は経過観察の間で挙上が落ち着きますが、中には精巣の挙上が続いた結果、遊走精巣から停留精巣へなってしまうケースもあります。そうなった場合は、必要に応じて手術を行います。 停留精巣は遊走精巣よりも、速やかに手術を受ける必要性がある疾患です。

精巣が陰嚢内に降下していない場合や、お子様の精巣に違和感がみられた場合は、泌尿器科に相談しましょう。

遊走精巣には手術が必要?

遊走精巣には手術が必要?遊走精巣は検診時で発見されることがあり、患者の多くは乳幼児期の子供です。停留精巣と異なり、精巣が鼠径部に挙上している時間が短いため、それほど影響はないと言われています。ただし本来、精巣は陰嚢内に存在するものなので、他の部位へ挙上することが良いとは決して言えません。

遊走精巣の手術の必要性は、鼠径部に精巣がとどまり続ける時間によって異なります。そのため、専門医による判断が重要になります。

治療

鼠径部や腹腔内は陰嚢より、温度が2~3度高いです。陰嚢よりも高い環境にいることで、精祖細胞(精子を作る細胞)は熱で機能を失い、数が減少してしまいます。そうなると男性不妊症のリスクが上昇するため、1歳~2歳までに手術を済ませることは極めて重要です。

また、放置すると、成人になってからガン化するリスクが40倍も高くなるとも言われています。手術が必要ない遊走精巣も存在しますが、挙上し続けたままの状態から停留精巣になる遊走精巣もあります。その際は手術が必要なので、速やかに受診しましょう。

TOPへTOPへ