ニュースでご存知の方もいらっしゃると思いますが、昨日、小倉さんがお亡くなりになりました。
学生時代は、父親の教えもあり運動(陸上競技)に勤しみ、吃音や秋田訛を気にされたため、あえてアナウンサー業界に入られ、軽快なトークで人々の心を掴み、歯に衣着せぬ言い方で我々の心に刺さる情報を伝えてくださいました。
4月にお会いしたときには、病状とは逆の元気な振る舞いでリードしてくださり、力強い握手をさせていただいたことを思い出します。
マスメディアの情報によると、先週中頃に(12月4日頃)に治療できることがないと言われ、週末に自宅に帰宅し、奥様に診ていただき昨日午後に息を引き取られたとのことです。
小倉さんの座右の銘「果報は錬って待て」ですが、闘病生活は、走りきった、見事な完走をされたとおもわれます。(私の知りうる範囲ですが、、) 謹んで御冥福をお祈りいたします。
最後に膀胱がんについて少し。 膀胱の壁は薄いため進行していると膀胱全摘をおすすめすることがあります。我々は、ガイドラインといういわば世界中の論文のいいところ集約した教科書に則ってお話しています。
膀胱を取るということは、心情的にいろいろと葛藤があります。小倉さんをはじめ有名人の方もやはり最初は悩んでおられました。
最新の治療というのは、何を持って最新なのか慎重に見極める必要があります。
血尿は、膀胱がん(尿路上皮癌)の発見のきっかけになります。ただ、みんながみんな膀胱鏡をやる必要はないと考えています。泌尿器科専門医でも見つけることが難しいときもあります。先日も、様々な検査から「これはおかしい」と思い膀胱鏡を行ったところ5cmくらいの膀胱癌を見つけました。必要と思われるときは是非、検査を受けてみてください。
*尿路上皮癌 尿路=腎盂、尿管、膀胱、尿道 上皮にできる悪性腫瘍=癌